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おばけは死なない。病気もなんにも無い。

更新日:2023年11月2日

このタイトル、どこかで聞いたことがあると思う人が多いのではないでしょうか。

ゲゲゲの鬼太郎は大人でも子供でもだれでも知っている水木しげるの有名な漫画作品のテレビ漫画のオープニングに流れる歌詞の一部です。

水木しげるは去年、生誕100年をむかえたということです。そしてこの歌はその時代の有名な歌手により歌われてきました。歌手が変わろうとも曲のテンポが変わろうとも「おばけは死なない。病気もなんにも無い。」と、人間と違って死と病いも無く、いつまでも少年の姿であることから、鬼太郎の仲間も同じように老いも無いということなのでしょう。砂かけばばぁ(砂かけ婆)は例外かというと、何と老婆の姿をしているだけで、人間社会でいう老いとは違うようです。

「夜は墓場で運動会。たのしいな たのしいな。」「おばけにゃ会社も仕事も無い。」「おばけにゃ学校も試験もなんにも無い。」「昼はのんびりお散歩だ。たのしいな たのしいな。」この歌の歌詞では人間社会のように生きていくための苦しみを生むものは無いといっているのです。

死の苦しみ、病の苦しみ、老いの苦しみも人間社会のように存在しない漫画の中で、鬼太郎は人間に危害を加える妖怪と戦い命を脅かされ、めだまのおやじや仲間の妖怪が心配する中で、必ず鬼太郎は復活するようにストーリーが進みます。自分のからだを張って人間を守ることは、苦ではないのかと心配しますが、毎回自ら積極的に悪い妖怪に立ち向かう姿が描かれていることを考えると、あまり苦とは思っていないのでしょう。もちろん嫌だなと思いながら戦うヒーローなど、見たことがありません。

いっぽう、人間はというと、2500年前のインド(現在のネパール西南部)にひとりの王子様が何の不自由のない生活を送っていました。そしてある日、お城の外の様子を見てみたいと思い、家来を引き連れ東の門から出ると腰が曲がり足元がおぼつかない老人に出会いました。家来に「あれは何者か?」と尋ねると「あれは老人でございます。すべての人間はいずれ老いあのような姿になります。」と答えました。またある日 南の門から出ると、道端に倒れている病人がいました。「あれは何者か?」「病人でございます。」との返事が家来から帰ってきました。またある日西の門から出掛けるとお葬式に遭遇しました。「あれは何者か?」「死人でございます。すべての人間はいずれ死んであのようになるのです。」

そして北の門から出たとき、出家した修行僧に出会い、その凛とした穏やかな顔をしている姿を見て、王子様は頭にあることが頭にひらめき、皆、老・病・死を向かえるのに、落ち着いて真っすぐ前を見て生きる確かな心を持つことが大切だということに気付きました。

これが『四問出遊』というお釈迦様のお話です。

人間だけではなく全ての動物も虫も植物も、生き物の全てが自分の意思でこの世に生まれてきたわけではないのに、生まれたその瞬間から「生きれば生きるほど老いがあり、病にもかかることもあり、確実に死を向かえる。」つまり、生まれた瞬間から死に向かっているのです。

「どうせ死ぬなら・・・」と考えたり、「いつ死ぬのか」と考え続けて生きている人は稀であるでしょう。

幼稚園や小学校に入学すると、「大人になったら何になりたい?」と聞かれるという経験をしたことがある人多いと思います。そしてその答えには夢や希望が折り込まれているものがほとんどです。学校を卒業し社会人になっても夢や希望の内容は変わったとしても存在しているものです。

「どうせ死に向かって生きているなら、努力もせずに好き勝手生きよう。」と考える人も、また「自分勝手に生きるから何をしてもよい。どうせいつかは死ぬのだから。」と思う人も稀であるでしょう。しかし、他人を傷つける、財産を奪う、他人をだます、これらの行為は捕まれば自由の利かない場所へ拘束されてしまいます。他人の心を傷つければ自分の寄ってくる人は少なくなります。このように、人が元来背負わされている老・病・死の苦に加えまた新たに生きていくための苦を自分自ら生み出す結果を招いてしまいます。

ゲゲゲの鬼太郎の「おばけは死なない。病気もなんにも無い。」を人間社会に合わせると、「人は必ず死ぬ。生きている間には病気や老いなどの苦がある。」ということになりますが、決してそのようなことを考えながら生きている人は、平均寿命の歳を超え、病を患い、苦しんでいる人は別としてあると思います。

人は健康に気を配り、病院にも行き、アンチエイジングを意識した行動をして、生きることで起こる苦をできるだけ遅らせる努力をしています。

そして人は間違った道ではなく、正しい道を歩む人生を好み、そのように行動します。

これは、とても尊いことのように思います。正しい道を外れたら方向を修正して正しい道に戻るこt。夢や希望を捨てないこと。いくら年を重ねても、「これからの人生(大人になったら)どうしたい。」と考えて 常にその思いと行動を忘れることが無いよう生きていきたいと思います。

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